~革として生き続ける梶岡牛~
謹賀新春、本年もどうぞ宜しくお願い致します。
旧年中は皆様に支えられ、『梶岡牛』たちはすくすくと育ち、
私たちは,その命を『美味しい笑顔』というカタチで皆さんに繋いでいくことができました。
そんな中,『梶岡牛』のファンでいて下さる,
(株)イクイップメント・アンド・ファシリティ・デザインの池田 信雄さんが食事にいらした際,
「『梶岡牛』の牛革で何かつくりましょう!」の一言で始まったプロジェクト。
http://eafd.co.jp/
(株)イクイップメント・アンド・ファシリティ・デザイン
【Equipment & Facility Design Co., Ltd.】
数ヶ月後,池田さんの手により,牛革として再び牧場に帰ってきました。
『梶岡牛』は、肉となり皆様の食卓を彩るだけで終わり…ではなく、
牛革となり,こうやって生き続けることができます。
梶岡牧場で種付けし生を受け,
今度は母親となって子牛を産み,
母牛としての役目を終えた後,
ゆっくりと1年半過ごしてくれた【よしこ23】。
肉牛として『梶岡牛MOTHER BEEF1778』となり,皆さんを笑顔にしてくれました。
『梶岡牛MOTHER BEEF1778』よしこ23 58ヵ月齢(再生肥育期間18ヵ月)
血統は【美津安×神宝正×第3平茂勝】となります。
『梶岡牛MOTHER BEEF』にしては月齢も若く,再生肥育期間も通常より半年も長い18ヵ月!
イメージとしては肉に味わいが乗った『未経産の超長期肥育』。
今回も但馬系の血の濃い,山口県の種雄牛【美津安】で血統醸成した『梶岡牛MOTHER BEEF』です。直近出荷した『梶岡牛1066』と同じ父牛である【美津安】は山口県のMUFA(一価不飽和脂肪酸)育種価が歴代2位の脂質に長けた血統です。
【神宝正】は今となっては,血統的には古典的過ぎてweb上にも情報は極めて少ないですが,
肉質系と言われ肉質に優れている田尻(但馬系)の流れを汲む私の好きな系統です。
今までの歴代の【美津安】血統の『梶岡牛』はいずれも和牛らしい余韻の残る肉味と,香り高く喉越しのいい脂質でした。いつものように健康第一で育ってますので,毛並みはツヤッツヤです!
写真は、大切に育てた梶岡牛MOTHER BEEF』【15732-3884-5】の皮をなめし、
一枚の絵画のように仕立てたものです。
しっとりとした質感、
深い黒色に光るそれは『梶岡牛』が生きていた証。
それは牛飼いの私たちにとって素晴らしく感慨深いことなのです。
牛革として大切に使って頂けるものであれば,
ある意味,私たちがいなくなった何百年後も牛革として生き続けられるという事です。
その牛革の温もり、力強さ、そして美しさを直営レストラン【FIRE HILL】にご覧にいらっしゃれば幸いです。
この梶岡牛の牛革で傍に置いておけるものを何か製作出来ればなぁ…と,
日々,牧場の仕事をしながら考えております。
皆さんも,「こういったものが欲しい!」というのがあればアイディア頂ければ幸せます。
どうぞ,本年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
この『牛革物語』,スピンオフ的なストーリーとして,
数年前,東京で『肉肉学会』という梶岡牛を食べる会に,冒頭で登場した(株)イクイップメント・アンド・ファシリティ・デザインの池田さんも参加して下さって,
その時,同じく参加されていた『人形町 今半』の高岡社長とのご縁も繋がり,
新しい鉄板焼きのお店『喜扇亭 吉祥寺店』のカウンター椅子を『今半』縁のある牛革でつくられました。 ※梶岡牛の牛革ではありませんw。
さすが『今半』 高岡社長です。 うちも頑張らねば!
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