瀬戸内海に浮かぶ生口島(いくちじま)は、国内有数のレモンの産地。この島に移住し、2014年より柑橘農園「たてみち屋」を始めたのが、菅秀和さんです。菅さんのレモンは、全国各地の名店で使われる、プロも認めた品質。レモンの持つ食の可能性を開拓すべく、孤軍奮闘する菅さんに会いに、生口島に行ってきました。
「たてみち屋」では、自然の働きを大切にし、食べておいしいレモンを育てています。レモンの樹が健康的な実をつけるには、その源である土が適切な状態であることが必須です。年に2度土壌検査をして土のカルテを作成し、季節や環境によって変化する状態と、その年に収穫したレモンの状態と照らし合わせることで、科学的に農家の“勘”を蓄積していきます。その最適な土づくりのために欠かせないのが、梶岡牧場のヒューマス。微生物の多様性を活かし、柔らかな土をつくることで、樹が本来持つ生命力(=美味しさ)を引き出すことができています。
レモンの糖度を気にしたことはありますか?一般的に外国産レモンが6〜7度と言われる中、うちのレモンはイチゴやミカンと同等の11度を記録することも珍しくありません。有機認証取得を前提とした栽培法のため、安心して皮も食べられます。そこから“食べるレモン”と命名。高糖度であることに加え、エグ味もないため、料理人の方にも好評をいただいています。現在、島内8箇所に農園がありますが、安定供給のため農地拡大を順次進めています。アイデアをあたためていた加工業にも挑戦し、さらなるレモンの可能性を見出していきたいです。
観光農園の柑橘事業を任されたことをきっかけに、瀬戸田町・生口島へ移住。現在は、レモンのおいしさを広めるべく、全国各地で数多くのワークショップを開催。